修行

修行の日は、開始までちょっと時間あるし、日本三大文殊でも見てこようかと思っていたのですが、そんな気がすっかり失せるような、すさまじい土砂降りが朝から続いていました。

大きい荷物をひきずりながら、のろのろと天理に向かい、タクシーで石上神宮に到着すると、もうすでに結構人が集まってきていました。
交通の遅れの影響で、来られなかった方も何人かいらっしゃるようです。
一日早く入っていたのは正解でした。

温泉の浴衣以外、普段の生活で和服に全く縁がない私にとっては、白衣や袴を身につけるのは非常に困難でしたが、周りの方が手伝ってくださったりして、なんとか着れて、助かりました。白帯もまともなのを持っていなくて、貸していただいたりして。


こんどから自分で着られるように自撮りしてみました。

どんな人たちが参加しているのか、興味があって観察していたのですが、やはり集団での参加者が多く、宗教関係者や、おそらく占いや霊能者関係と思われる集団、指導者を中心とした修行愛好家?の集団など、全部で約50名弱でした。

最近はどこもそうですが、私のような飛び込みロンリーツアラーは少数派ですね。
何度も参加している方もけっこう多くて、そういう方は殿堂入りみたいな扱いで、まとめ約や、係の仕事などが割り当てられているようでした。

飛び込みと言っても、崇敬会に入会していることがまず第一条件で、早めに申し込まないと、なかなか参加は難しいようです。
来年からは、今まで2回行われていたのが1回に減るようなので、狭き門になりそうです。

さて、朝からすごい大雨でしたが、開始の頃になるとぴたりと止み、ゴッドパワー感じました。すごすぎる。

まずは、禊用のプールで禊を行います。集団で大声出して舟をこぐ動作を行うというのが、以前からとても抵抗があったのですが、やっているうちにだんだん楽しくなってきました。
考えてみたら、日常でこんなに声を張ることってないです。ローテンションでぼそぼそ話すのが習慣になっていたので、久々に発散できたかんじでした。

タマフリは、昼と夜とで行われ、夜のほうは本殿で、しとしと雨の中で行われました。
数年前の鎮魂祭に参加したときのことを思い出しました。あのときも雨がすごかったです。雨天は滅多にないそうなのですが。なんか私がここに来る時は割と雨に縁があるようです。

十種神宝祓詞などを何度も唱える本格的なやり方で、次回の秋分タマフリのときには、この部分にもう少し時間をとってやってみても良いかもと思いました。ちょっとしたトランス状態になります。
何度かタマフリの実習がありましたが、やっぱり、薄暗い本殿でのタマフリが一番良かったかなぁ。

夜は、外はすごい大嵐で、近くまで避難勧告が出ていたようです。夜中にいくつもの携帯が警報を鳴らしていました。
が、朝にはまた止んで、禊をしたり、本殿でタマフリをしたり。
どうなるかと思ったけど、すべてのスケジュールを予定通り体験することができて、よかったです。

禁足地にも入らせてもらえました。意外と狭くて、地面が苔むしていました。とても大きな、立派な本殿でした。
ここから沢山色々出土しているのか~と感慨深かったです。
せっかくの機会なので二礼二拍手したら、その瞬間、ゴォ~とすごい風が吹いてきて、なんだかとっても神様を感じたのでした。

ドキドキしながらの参加でしたが、とても親切にしてくださる方がいらっしゃったり、なんと、栃木から73歳のおばあちゃんが参加されていたり、色々な出会いがありました。

直会のときに座ったテーブルは、フリーの参加の方ばかりだったのですが、メンバーがすごくて、東北の某有名教派神道系の幹部の方たちや、皇典講究所の3人の創立メンバーのうちの一人の子孫の方、イワクラ研究家とか、普段滅多にお会いできないような方たちでした。

あと、若いイケメンで、それっぽい雰囲気の子がいて、もしかしたらと思っていたのですが、ほんとうに同じ大学の神職実習生でした。
教授の話などで盛り上がり、色々話を聞いて、後になってから思い出したのですが、一度だけ、教室で話をしたことがあったのでした。びっくり。向こうは覚えてないだろうけど、こんど会ったら言ってみよう。世の中って狭いなぁ。。

神職の方たちも、どの方もとてもユニークで、見た目も性格もまるでイタリア人みたいだったり、化石マニアでミネラルフェアによく出入りしている方には大きなメガロドンの歯を見せていただいたりで、とっても楽しかったです。三葉虫の学名を言って、分かる人ってそうそういないです。
神職なんてみんな変わりもんばっかりや~、なんて笑っていました。
でも、かえって、これくらいのスタンスがちょうど良いのかもと感じます。

神道はアニミズム的な寛容なところが良い面だと思うのですが、ガツガツ一生懸命すぎて、国家神道みたいな一神教のノリになってくると、他者にもそれを押し付けだしたり、狭量なところが出てきますからね。

神様も、ちょっとへんてこりんな変わり者くらいなほうが、なんやこいつ、おもろいやっちゃな~と、気に入ってくれるというのはよく聞きます。

だからといって、境内でタコ踊りをしたり、変顔をしたり、あんまり奇をてらうのはアレかもですが、雅楽とか舞とかの神遊びも、本来神様を喜ばせ楽しませるものだから、あながち効果がなくもないかも!?
なんて書くと、真面目な人たちからは怒られちゃいそうですが^^;

そんなわけで、様々な学びがあったり、得る物が多く、貴重な体験となりました。
今後の講座にも色々と活かしていきたいです。