君の名は



あまりにもきれいな夕焼け空だったので思わず撮影。
渋谷駅前はしばらく前から絶賛工事中です。どんなふうになるのかなぁ。

先日、「君の名は」観てきました。
ふだん滅多に映画やお芝居を観にいったりする機会がなくて、たまに誰かに誘ってもらった時くらいです。今回もそうでした。

神社が結構出てくるという話を聞いていて、でも、男女が入れ替わるとかなんかありきたりぽいかなと思っていたのですが、途中からけっこうびっくり展開で面白かったです。
あんまり書くとネタバレみたいになっちゃいますかね。

産霊(むすび)についてや、誰そ彼時(たそがれどき)などがストーリー上の割と重要なキーワードになっていて、なんか感動しました。
水の掬びや人の結び、産霊など、日本人の霊魂観の根っこの部分を、この映画のヒットによって広く知ってもらえるのはとても良いことだなぁと思いました。

ヒロインは神社の娘で、巫女舞や口噛酒なども登場します。
古代においては、米を口で噛んでこなれたものを自然発酵させてお酒にしていました。
口から食べ物を出して振る舞った挙句、失礼だと切り殺されてしまった大食都姫神話は、じつはこういう食文化にも由来していたのかな、なんて前に想像したこともあったっけ。

あと、紐を時の流れと結びつけるのは面白いなと感じました。ねじれたり戻ったり絡まったり。古代にはこういうSF的解釈はなかった気がするけど、アリだと思いました。
DNAもらせんの紐状だし、物理学では超ひも理論とか、すべての物質は紐状構造であるという仮説もあるくらいで。
そう考えると、紐状の生き物である蛇が世界的に神聖視されていたのも、なにか偶然ではないように感じられます。

紐といえば、玉の緒といって、魂を結びとめる紐がよく和歌などに詠まれました。
たまふりの講座では勾玉につける玉の緒に麻紐を使用していて、麻は清く神聖な植物のため、神事でも使用されています。
今回の映画を見て、もうちょっと麻紐の編み方などにこだわってみても良いかもしれないなと思いました。

あと、昔は村や寺社の入口にかんじょう縄といって、縄に輪を通してあるものが吊るされている地域がありました。これは産霊(男女の結びつき)の象徴であり、道祖神と同じような意味があります。

産霊、つまり子供ができるというのはすごいエネルギーなので、それ自体が魔除けになると考えられたのです。

神社のしめ縄も同様に結界で、吉野裕子先生によると、縄がねじり合わさっている様子は蛇の交尾そのものだということです。
蛇の強い生命力と、産霊と、非常に神聖な、ダブルの魔除けパワーです。
縄で模様をつけた縄文土器にも、こうした意味が込められていたのかもしれません。

なんか話が横道にそれました。
あと、四ツ谷で一瞬だけ住んでいた場所が最後の方に登場して嬉しかったです。
中央線沿線の風景が沢山出てきていました。